2008年02月01日

“動物”は難しい

ロングの休み時間を利用しての読書活動、
1・2年生のブックトークは昨日無事終わったが、
次は3・4年生が待っている。
再来週なので、時間的には余裕があるのだが、
その後5年生、6年生と続くため、
構成だけでも早めに作っておかなければならない。

3・4年生のテーマは「動物」にしようかなあ、
と漠然とは考えていた。
動物といってもいろいろあって、児童書の世界では
ファンタジーからドキュメントまでとにかくやたらに
動物が登場する。
人間より動物が出てくる本の方が多いくらいだ。

でも、3・4年生だからただカワイイ動物ではなくて、
少しは問題意識を混ぜ込みたいなあ、と考えて、
4年ほど前にやった「助け合う人と動物」の線で行くことにした。

まず「星空のシロ」の読み聞かせをする。

星空のシロ
井上 夕香
4337023011


有名な本なのでご存知の方も多いと思う。
病院の実験動物だった犬の話で、事実を基に書かれている。
この時の事件がマスコミに取り上げられたことから、
病院への抗議が殺到し、それが署名活動にまで発展して、
東京都では動物の実験機関への払い下げが廃止された、という。

4年前に書いたブックトークの構成原稿を読むと、
私はかなり強い口調で、こうした動物実験を責めている。
「私たちの国では、こうした野蛮な行いをしていることを知っておいてほしいと思います。」と最後を締めくくっている。

今回インターネットで「動物実験」のことを色々調べてみた。
動物実験に反対している団体のホームページを見ると、
その酷い実態が明らかになっていて、
う〜ん、やっぱり動物実験は非道な行為だ!と強く思うのだが、
一方で「日本実験動物協会」なるホームページもあって、
それを見ると、動物福祉という言葉も出てくる。
実験動物にも愛情を注いでいるのだ、という文脈もあるし、
そういう写真もある。

まあ、それぞれがそれぞれの立場と見解を持って作っているので、
事実が食い違っているように見えるのは仕方ないことだろう。
動物実験は動物側から観れば、非道な行いであることは
間違いない。
でも、例えば自分やその家族が病気で苦しんでいる時、
もし動物実験によってもたらされる薬でその苦しみが和らぐのだと
したら・・・・。
動物実験が酷いから、という理由で、治る可能性をあきらめられる
だろうか?
もちろんこれも、動物実験が真に有効なものかどうか、という
議論が前提にあるわけだけど、現在の医療はどうやらこれまでの
動物実験の上に成り立っているものらしいので、
それを無視するわけにはいかない。

大人になって、世の中に複雑な事情があることを知ると、
単純に白黒つけられる問題はきわめて少ないことに行き当たる。

この本も今回紹介しようか、と考えているのだが、

ぼくのクジラ
キャサリン スコウルズ Katherine Scholes 百々 佑利子
4580812824


これも、また最近ニュースになっている
日本の調査捕鯨に対する、外国の過激な保護団体の攻撃といった
事件に行き当たってしまう。
私個人としては、別に無理してクジラを食べたいとは思わないけど、
そういう考え方は浅はかなんだろうな。
クジラを食することは日本の文化みたいだし、それで生計を立てている人にとっては死活問題なわけだし、大体クジラだけ特別扱いというのはおかしいじゃないか・・・と様々な見解があって、
人の考えに流されやすい私などは、「ああ、もうわかんない」と投げ出したくなる。

こうなると、このテーマはやっぱりやめようかな?
というズルイ逃げが頭をもたげるが、
それでもやっぱりこのテーマに沿って本の紹介をしよう、と思う。

世の中にはこういう複雑な事情があって、
みんなはそんな世の中に出て行かなければならないんだよ。
自分なりに考えて、自分に出来る最良の道を選んで欲しいなあ、
という無責任な問いかけを、それでも子ども達にしてみたい、
と思っている。







posted by Helenaヘレナ at 11:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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