2006年02月16日

看病休暇中に読んだ「時計坂の家」

娘のインフルエンザは、四日目でウソのように元気になった。
「気持ち悪いよ〜、お腹痛いよ〜」
(今年のインフルエンザの特徴です。皆さん気をつけましょう)
と泣かれた時は、いたたまれなかったが、
元気になるとほっと気が抜けて、そのせいか腹まで立ってくる。
「お薬のませて、ママ」と言われても、
「自分で飲めるでしょ。とっとと飲みな」とうって変わってぞんざいな対応。
そろそろ仕事にも行きたい。図書室も気になる。
でも行けない、というジレンマが機嫌を悪くさせてしまうのだ。(娘よ、ごめん)

看病している間に、新しく来た本を読もうと思い、
「時計坂の家」(高楼方子)を持ってきた。
公共図書館に勤める友達から、すごくいいよ、と薦められた本。
高楼方子さんの本はファンが多いので、もう読まれた方も多いかもしれない。

奇想天外、なんでもありのファンタジーが多い中、
この話は、私達が暮らす日常の延長線上にある感じで、
誰にでも起こり得るような雰囲気がとても読みやすかった。

12歳の少女が夏休み、不思議な魅力のある従姉妹に誘われて
祖父の住む家に遊びに行き、そこで打ち付けられたドアの向こうに魅惑的な園をみつける。
その園はどうやら若くして亡くなった祖母の秘密に繋がっているのだが・・・。

お話の舞台である街汀館(みぎわだて)がまずとても魅力的だ。
海と山にはさまれた小さな町ではあるけれど、
その昔異国との交易に栄えた街独特の雰囲気が人をひきつける。
少しずつ謎が明らかになっていく過程を追っていく内、
ページを繰る手が止まらなくなるのだが、
しかし急いで読んでしまうのは惜しい気がする本である。

読み終えて、そのあまりの深さに、これは大人にこそ理解できる話なのではないか、
とも思ったが、すべてを理解できなくともそれはそれでいいのかもしれない。
しかし、12歳というのは、よく物語の中で取り上げられるが、
それほど特別な年齢だのだろうか?
もうすっかり子どもというわけではないが、まだ大人にはほど遠い・・・。

この本の挿し絵を手がけたのが、作者の実姉、千葉史子さんで、その略歴を読むと、
作者は、物語に登場する不思議な従姉妹マリカに、
今はパリに住むお姉さんの面影を投影したのではないだろうか?
などと、根拠のない推測をしてしまうのだった。

怒るみゅー

「なんで、意味なく撮るんだよ」怒るミュータントの心の声。
「だって、ヒマなんだもん」と娘。
「ヒマなら、学校に行ってほしい・・・」とは母。
posted by Helenaヘレナ at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お嬢さんのご病気、大変でしたね。ウチも息子が風邪らしきものにかかって咳が止まらず、看病休みしています。私も臨時職なので有休も無く、月20日以上勤務できない条件で勤務しています。(休みの取りにくいこと!)息子の風邪はこじれたらしく、島の診療所では診断がはっきりせず、来週島外の専門医に見せたほうがいいかも、と言うことでまたまたため息です。
 そんな中、Helenaさんのところでいい本を紹介して頂いているのを発見!さっそく検索してみます。読みたいな〜。ありがとうございました。 
Posted by aya@ara at 2006年02月17日 15:15
「時計坂の家」は初版の頃読んだので、内容を忘れていましたが、ヘレナさんの記事を読んで思い出しました。たかどのさんが描く、低中学年向きのテンポの良い不思議おかしい世界とは全く違いますよね。私も好きな本でした。でも、表紙のイメージがとっつきにくいのか、子供達にはなかなか読んでもらえませんでしたね。残念ながら。今の学校には入っていないので、もう一度どこかで借りて読み直してみようと思います。
お子さん、大変でしたね。私も経験あります。みずぼうそうの時なんて、もうぴんぴんしてるのに、感染するから保育園に出せなくて、病時保育なんてのもなかったし、ダンナはあてにならないし、仕事が気になりいらいらしたものです。
でも、そんな日々も一時。子にとって母は一人ですから、どーんと構えるしかないですね。
Posted by nora-taka at 2006年02月17日 21:21
『時計坂の家』、nora-takaさんと一緒で、ヘレナさんの記事を読んで思い出しました。確かに読んでいるときは先を知りたくて夢中で読んだ記憶があります。ただ、この本は一言で面白いとか悲しいとか表現できる本でなくて奥が深いというかセピア色に引き込まれるような複雑な感情をひきだしますよね。読後に切ないというかちょっぴりこわいというか何とも言えない感情が残って(自分の中でしっかり読みこなせていなかったんだと思います。)こどもたちには(難しすぎるかな)と紹介しませんでした。でも、確かにこどもたちにはこどもたちなりの読み取り方があるのでしょうね。
Posted by 紫陽花 at 2006年02月19日 00:08
ayaさん、息子さんの具合はいかがでしょうか?
心配ですね。お互いこの時期は欠勤覚悟ですね。
早く良くなりますように。

nora-takaさん、励ましのお言葉ありがとうございます。
ウチは一人っ子なので、看病も楽しむつもりで、気長にいこう、と覚悟を決めました。
「時計坂の家」は紹介してくれた友達も、いい本だけど、これを読める子どもがいるかな?
と心配していました。
今日から図書室に出しますが、反応はどうか、ちょっとドキドキです。

紫陽花さん、そうなんですよね。
奥が深いんです。ちょっと抽象的な部分もあるし。
成長過程にある子どもが覗いた大人の世界という物語は多いのですが、
これは大人にとっても禁断の世界というか・・・。
子どもが読んだら、感想を聞いてみたい気がします。

Posted by Helenaヘレナ at 2006年02月20日 09:18
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