2006年04月19日

羊がメエメエ鳴くのはどうして?−調べ学習対策法

4年生〜6年生を対象に、念願の参考図書の授業をさせてもらった。
赴任してからずっと、調べ学習をしに図書室にやって来る
子ども達を見てきたが、悩みは大きくなる一方だったのだ。

子ども達は例えばこんな課題を携えてやってくる。

「先生、羊がメエメエ鳴くのはどうしてか、載ってる本ある?」

とりあえず、動物が載っている本を示すと、ペラペラめくり、
「これには、載ってない」バタンと本を閉じる。
「これもダメ」バタン。
「ダメだ、使えない。インターネットで調べよう」
・・・とこんな感じ。

課題は難解。それ自体は素晴らしいことだと思う。
しかし、問題解決の方法がなってない。

それでまずは、参考図書といわれる、辞書事典類の使い方をレクチャー
させてもらうことにした。

参考図書jpg.JPG

漢字ォ典1jpg.JPG

こたえは、漢字辞典
で、実際に漢字辞典で「得」という字を子どもに引かせる。
見つかったら、どうやってそこに行き着いたかを、発表させる。
漢字辞典の使い方は、4年生の国語の教科書に載っている。
5、6年生は、辞典の前後にある「部首さくいん」を知っていた。
「彳」のページを繰る、まではわかったのだけれど、
その後の画数までは思い至らなかったようだ。それで、

漢字ォ典2.jpg

実際に、「得」という字の箇所に書かれている内容を読み上げる。

国語ォ典1jpg.JPG

こたえは、国語辞典

同じく子どもに「とくさく」をひかせる。
国語辞典は3年生の国語の教科書に載っている。
さすがにどの学年も上手にみつけた。

国語ォ典2.jpg

では、「とくさく」と「どうじょう」では、どちらが先に載っているか?
という問いには、4年〜6年まで全員「とくさく」と答える。
「どうして?」と聞くと「濁点がついているの方が後だから」
う〜ん、なかなか目のつけどころがいいですね。
では実際に引かせる。
「とくさく」が出ているページは606ページ。
「どうじょう」が出ているのは?597ページ。
「どうじょう」の方が前だね。
でも「とうじょう」と「どうじょう」では、
みんなが言ったように「とうじょう」が前に載っています。

図鑑1.jpg

こたえは、図鑑
5年生で「百科事典」と答えた子がいた。
4人くらいのグループに分け、実際に調べさせる。

1番早くみつけたのは、なんと4年生。
実は、図鑑の目次には「ひつじ」という項目がないものが多い。
ひつじはウシ目なので、ウシのページに一緒に出ているのだ。
では、どうやって調べるか。後ろの「さくいん」で調べれば一発なのだが、
それを4年生はよく知っていた。
また、やぎとひつじが一緒に載っていて、どっちがやぎだかひつじだか
わからない図鑑もある。
「旺文社図鑑3 動物の観察」に、「ヤギとヒツジのちがい」
という項目があるのを、子どもがみつけた。
それによると、あごひげがあるのはやはりヤギらしい。ヒツジにはない。
百科事典で調べた子達だが、
「ポプラディア」(ポプラ社)と「ニューワイド学習百科事典」(学研)
の「ひつじ」の項目には、種類は2つしか書かれていなかった。

図鑑2.jpg

百科事典.jpg

こたえは、百科事典

「ひつじ」を、ポプラディアとニューワイドの二冊で調べさせ、読み上げさせる。
その後、発見したことを発表してもらう。
羊に関する新たなる発見。

「おとなしい性質である、ことがわかった」
「羊の肉も食べるんだってわかった」

わかったことは、それぞれ。
発見することが大事。

百科事典2jpg.JPG

「羊がメエメエ鳴くのはどうしてか?」という疑問が浮かんだら、
まず百科事典を引いてください。たとえ、そこに答えが書かれていなくても
羊のおおまかなことはわかる。そこで発見したことをメモしてください。
そして、必ず調べた本の名前を書くこと。
どの本を見ても、「メエメエ鳴くのはどうしてか?」書いてないかもしれない。
そしたら、今まで調べた本の内容から、自分で推測してみてください。
本で調べてわかったことと、あなたの考えを混同して書いてはいけません。しっかり分けて書いてください。

本で調べてわかったのはこんなこと。それで私はこう考える。

そんなに簡単に答えは出ない。
世界は複雑でナゾに満ちている。
だから面白い。疑問を持つことは素晴らしいけれど、
調べ学習の面白さは、答えを見つけることにあるのではなく、
答えを見つける過程にあるのだよ。
いろんな本を見て、いろんな知識を吸収してください。





posted by Helenaヘレナ at 10:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書室 アニマシオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。すばらしいアイディに、いつも目から鱗状態で、参考にさせてもらっています。司書が授業をしたのですが?(私の市では司書は、そこまでできないのです)内容もわかりやすいし、司書が授業という事も、すごいですね。図書室の利用案内はさせてもらいますが、ここまでやらせてもらえなさそうです。我が校でも、図鑑等の使い方がわかっていない児童が大勢います。ぜひ、来ていただき、授業を行ってほしいくらいです。
Posted by 小春ねこ at 2006年04月19日 20:56
小春ねこさん、コメントありがとうございます。
こんな風に言っていただけると、とっても嬉しいです。励まされます。
田舎の小さな学校なので、見逃されているというか、みんなあまり気にとめていないのかもしれません。
まだ字もスラスラ読めない小学生に調べ学習なんて早いんじゃないか、と何度も思いました。
でも、授業にあるからにはやらなければいけないわけで、せめて事典類の引き方くらい覚えられればいいのかな、と思いはじめました。
また、ぜひ来てください。いろいろご意見などいただけると嬉しいです。
Posted by Helenaヘレナ at 2006年04月20日 09:13
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