2006年04月25日

あのとき すきになったよ

「あのとき すきになったよ」と、言うと、決まって子ども達の中から「ひゅー」とか「エロイ」とかいう声が聞こえてくる。

今回もこの本の題名(薫くみこ 作 飯野和好 絵)を読むなり、
3年生の数名の男の子が、ニヤニヤニヤ・・・。
別にちゃかそうと思ってるわけじゃなくて、自然にそうなるんですね。
わかります。

読み始めても、おしっこもらしてばかりいる「しっこさん」、
実は「きくちまりか」という本名の女の子の名前と顔が
おかしいのか、クスクス笑いが止まらない。

「しっこのしっこたれ うんこたれ
ぶたぶたのぶう おにばばのはなくそ」(本文引用)
なんてスゴイページもあって、笑いはますます大きくなり、
ふと、もしや選書を誤ったかしら、なんて思う。

でも、主人公のわたしとしっこさんが、仲良くなるきっかけの場面になると、突然水を打ったように静まり返り、子ども達の顔は真剣そのもの。
これが優れた絵本の威力というものでしょうか。

なんとなく目障りだったクラスメートが、
ふとしたことがきっかけで「大の仲良し」になる。
「みんなもこんなことあったかな?」
本を読み終わった後、尋ねると、何人かの子が手をあげた。

きっかけは何でもいいんだろう。
例えば、あまり感心しないけど、
他の友達の悪口を言い合ってる内に仲良くなった、とか
偶然学校以外の場所で会って、それが二人だけの秘密みたいになって、とか
この本みたいに金魚のおはかを一緒に作ったりとか。
ただ必要なのは共感しあうこと。
お互いの心がその瞬間ひとつに重なり合えば、距離はぐっと近づく。


そんな時、「あれ、この人こんなににやさしいんだ」
「こんなに笑顔がかわいかったっけ?」
「目がキラキラしてきれい」
なんて、普段気がつかなかった相手の違う面を発見したりする。

そんな気持ちは当然相手にも伝わっていて、
なんだかうれしくて、胸がドキドキする。

このタイトルを聞いて子ども達は「ひゅー」と言うけれど、
小学生の頃の友人関係は、大人の恋愛に近い感覚があると思う。
この本の中で、しっこさんと仲良くなるきっかけをつかみかけた
主人公のわたしは、

「うちに かえっても、しっこさんの こえが きこえた。
おふろに はいっても、しっこさんの こえが きこえた。」(本文引用)
そして、次の日熱を出してしまう。

恋すると、相手の顔がずっと頭から消えなかったりするものだ。


いつもムッツリしてイヤなやつ。
でも本当は優しくて、いざという時には身体をはって(?)
かばってくれる「しっこさん」のような友達や恋人が、
私にもいたなあ・・なんて思い出したら、なんとなくおかしくて、
その後切なくなってしまった。

あのときすきになったよ.jpg






posted by Helenaヘレナ at 14:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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