2006年05月25日

素晴らしい「トム・ソーヤーの冒険」

「今月の名作を読もう」は「トム・ソーヤーの冒険」にした。

「今月の名作」とは、古典的名作と言われる作品を
毎月一冊ずつ取り上げて子ども達に紹介していく企画。
先月は「赤毛のアン」だった。
年度初めのオリエンで、5.6年生に直接紹介できた
のが良かったのか、5、6年生合わせて4人の女の子が
この名作にチャレンジしてくれた。

さて5月を「トム・ソーヤーの冒険」にしようと決めたのは早かったのだが、
紹介文を載せた飛行船(図書室だより)を出したのが昨日。
廊下の掲示がしあがったのが、今日である。

トム掲ヲ名称未設定 1.jpg

どうして、こんなに遅くなったのか。
それはひとえに私が読み終わるのが遅かったからだ。
(ちなみに読んだのは福音館古典童話シリーズ)
ゴールデンウィークの頃から一昨日までかかった。
自分で言うのもなんだが、とても司書とは思えない。

途中、何度となく挫折しそうになりながら、
この古臭い物語を、今の子ども達がはたして読むだろうか?
という疑問が頭をもたげた。

しかし、物語の三分の一くらい「海賊団、出帆する」という章を読んだところから、
すっかり物語の世界に魅了され、後は引きずり込まれるように読んだ。

二度と町には戻らない決意で友だち二人と海賊団を結成し、
トムはミシシッピ河に浮かぶ無人島へ渡る
朝食は釣り上げた魚、思う存分河で泳ぎ、疲れれば
木陰で昼寝する。夜は家からもってきたベーコンを焼いて食べ、
星空の下で眠る。
なんという素晴らしい生活だろう。
泥だらけになって、文明からの逃亡生活を楽しむトム達の
姿が鮮やかに浮かんできた。

そして、同時に私は、トムとハックという心優しい野生児に、
学校の子ども達の姿をダブらせた。
3年生の〇くんと△くん、あの二人はまさにトムとハックだ。
そして、3月に卒業していったまま学校へは寄り付きもしない
あの「野生派オタク」の少年たちも・・。

トムのいたずらコレクションjpg.JPG トムの冒険jpg.JPG

廊下の掲示には
「トムのいたずらコレクション」
として、5つのいたずらを、また
「トムの冒険・事件」として、
トムが出会った四つの事件をとりあげた。

はたして子ども達は、古臭くてぶあついこの本を
手にとってくれるだろうか?
しかし、少なくとも私は、偶然この仕事についたことで
出会った幸運に感謝している。

そして我がトムとハック達は、この物語を読むよりも、
自分達の物語を実践することを選ぶかもしれない。
残念なような嬉しいような気持ちでそう思ったのだった。

posted by Helenaヘレナ at 11:54| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アーサー ビナードという日本語でエッセーや詩を書く作家がいる。彼の「日本語ぽこりぽこり」
でミシガン生まれのおいたちをふんだんに発揮して 等身大のトウェインを伝えてくれる。

ほかに「釣り上げて」の中で

,<記憶はひんやりした流れの中に立って、糸を静かに投げ入れ釣り上げては、流れの中へまた放すがいい。>
来日して10年、ミシガン州に生まれ育った彼の作品32篇が収録されている。

なんてことを連想して思い出しました。

Posted by 佐藤 美智代 at 2006年05月26日 15:16
「アーサービナード」という名前すら知りませんでした。外国語である日本語でこんな素晴らしい文章を書ける、なんてスゴイですね。
翻訳されている佐藤さんに、こう言うのもなんですが、訳者によって作品の趣はかなり異なってくる、と思うのです。私は日本の作家の書くものより、
翻訳物の方が好きなくらいなのですが、やはり、好きな翻訳者がいます。その人が訳しているから、その作家が好きになったという例も多い。
でも、このアーサーさんは、自分で自分の作品を訳されるわけですよね。う〜ん、スゴイ、面白いです。
Posted by Helenaヘレナ at 2006年05月28日 12:21
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