2006年09月26日

どんなきぶん?

久しぶりの3年生の授業。
運動会の練習に入る前に読み聞かせをやって以来だから、
3週間以上たっていることになる。

どんなきぶん?まず手始めに「どんなきぶん?」(福音館書店)でご機嫌伺い。この本は「今、こんな気分です・・」という情けない記事を出した時、
雨降り木曜日のkmyさんが教えてくださった本。
ページを開いた時、くすんだ私の気持ちがみるみる新鮮な色彩に塗り替えられていくのがわかった。よし、この本を子ども達に読もう、とはりきっていたのだけれど・・・。対象年齢が3年生ではちょっと大きすぎたのか。いや、たぶん私のアプローチがまずかったのだろう。
ざわざわ騒がしくてさっぱり集中してくれなかった。
ごめんなさい。せっかくステキな本なのに。
その魅力を充分伝えられなかった私の力不足。

これにめげず次は「あしなが」(あきやまただし作)を読んだ。
途端に、しん、と静まる子ども達。
う〜ん、このクラスは、パワーがありすぎるから、
さっきのような本の場合は、何かテーマを与えて絵を書かせるとか
何か自己表現させないとダメなんだな。
お話をしっかり聞き取る集中力はあるのだ。

次は、10月に特別養護老人ホームを訪問する彼らのために、
「おじいちゃん、おばあちゃんの本」を読むことにした。
最初に「10月にみんなが行く私設はどんな人たちがいるのかな?」
と尋ねると「えっ、どこか行くの?」と知らされていない様子。
あら?でもめげずに「〇〇は、どんな人達がいるのかな?」と聞くと
「おじいちゃんとおばあちゃん」という答えが返ってきた。
近所なのでみんな知っているのだ。
「おじいちゃん、おばあちゃんのことを別の言葉で言い表すと、
なんていうか知ってる?そう、お年寄り、といいます」
といって「お年寄りを理解する本」という福祉関係の本を見せた。

お年寄りと一言でいっても、いろんな人がいる。
“子ども”だって、ひとりひとり違うように、お年寄りも千差万別。
でも似ているところもある。
子どもに共通点があるように。
子どもがいつまでも子どもではないように、
お年寄りも、ずっとお年寄りだったわけではない。
子どもだった時もあれば、中年だった時もある。
お年寄りにもいろんな人がいる、ということで、
いろんなおじいちゃん、おばあちゃんが出てくる本を読みましょう。

というようなことを言って、2冊おばあちゃんの本を読んだ。

どんなきぶん? おばあちゃんのさがしもの

「おばあちゃんすごい!」(童心社)は楽しい本なのでともかく、
「おばあちゃんのさがしもの」(岩崎書店)は、痴呆の症状が出始めた
おばあちゃんとその家族の物語、ということで、3年生という年齢の
子ども達に読むべきかどうか迷った。
難しすぎるかな、とも思ったし、老いのネガティブな部分が
子どもにとまどいや恐怖のみを植えつけるのではないか、と思ったのだ。
でも、どんな小さな子どもでも家族の一員。
そして、どんな家庭にでも起こりうることなのだ。

読んでいる間、
「そりゃそうだよ、おばあちゃんだもの」をずっとくり返している
子がいた。さすがにうるさかったので「おばあちゃんすごい!」を
読み終えた時、
「子どもだもの、仕方ないけど、他の人の迷惑になるといけないから
黙っていようね」と注意した。
さっき、「お年寄りを理解する本」を見せたときも、
表紙のおじいちゃんの写真を見てどっと笑いが起こった。
笑うような写真ではないのだが、子どもにとって「老い」とは
奇妙なものなのかもしれない。
三世代家族が多く、常に祖父母と交流がある子が多いこの辺りでも
きっとそうなのだ。

でも客観的に見るのではなく、自分の家族として見た場合、
「老い」への違和感は薄れ、愛情が前面に出てくる。
「おばあちゃんのさがしもの」を読んでいる時、真剣に聞き入って
いる子が何人もいた。
自分のおばあちゃんのことを思い出している子もいるのかな。
よくわかってもらえなくても、やはり読んでよかったのだ。
 


posted by Helenaヘレナ at 11:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
紹介した本を読んでくださってありがとうございます。小学生になった娘がいますが「厚い本のほうが面白い」と言って、少し絵本から離れたような気がします。○年生のクラスで、といって本を選ぶのはとても大変そうです。クラスの色もあるでしょうし、個人個人で好みもあるでしょうし。
そんな中、身近な話題と結びつけて、子どもの興味を引きつけて、と工夫されている様子が伝わりました。楽しい本、笑える本よりも、人間のもつ暗い側面や重い部分などを持つテーマはより難しそうです。
そのときはなんとなくわかったようなわからないようなことがあっても、後々になってこういう本を読んだんだ、というものが残る子どもたちがきっといると思います。
ヘレナ先生の授業に出てみたいとまたまた思いました。
Posted by kmy at 2006年09月27日 15:38
kmyさま、
この日の放課後、「どんなきぶん?」を4年生の女の子二人と読みました。普段口数のさほど多くない女の子が、色々な顔をした野菜のひとつひとつを指差しながら「これはね、弟にお母さんをとられてさびしい気分」とか「二人でイタズラを考えて、こっちは成功して得意なんだけど、こっちは失敗して“チッ”って感じ」と次々に言うのを聞いて驚きました。普段は気づかなかったけれど、彼女の内面世界はこんなに豊かなんだ、と。
そして、クラスで読み聞かせていたら、果たしてその場で彼女からこんな豊富な言葉を聞けただろうか?とも思いました。
一人かもしくは少人数で、じっくり眺めたい本なのかもしれません。
この本を開いて、kmyさんが「しんせんなきぶんになりますように」と言ってくださった意味がわかりました。ありがとう!!
Posted by Helenaヘレナ at 2006年09月28日 09:46
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