2007年02月26日

流れ星におねがい

流れ星に

出せば必ず予約がつく程、人気の森絵都さんの
新しい本「流れ星におねがい」(フォア文庫)が今ひとつ振るわない。
今日も「あたらしい本」として展示した中で、
ポツンと一冊残っていた。
表紙は「にんきものの本」のシリーズでコンビを
組んでいる武田美穂さんの絵だが、
対象学年になるであろう高学年が、森絵都さんの作品
だということに気がつかないのかもしれない。

ひょいと取り上げて、一読し(恥ずかしながら読んでなかった)
よし、これを来週の6年生のブックトークに加えようと思った。
ブックトークのテーマは「12歳」。
「流れ星におねがい」の主人公桃子は4年生だから、
テーマからは外れることになる。
しかし、あえて加えようと思ったのには、理由がある。

今朝の職員打ち合わせ。
児童会が取り組んだリサイクル活動の結果、
幾らかの収入があった。
子ども達は、当初からその収入で、
みんなが欲しいものを買おう、と決めていて、
ある体育用具を買いたい、と申し出ることにした。
しかし、その安全性や管理の面で、校長先生が
難色を示した。
児童会担当の先生は、児童総会で子供たちが
決めたことを無下に撤回してよいものかと
悩んでいた。
校長先生の考えももっともだし、担当の先生の気持ちも
よくわかる。
経緯もよく知らないし、児童会活動にも関わっていない私
が口を出す問題ではない。
ただ「う〜んいまどきの学校は民主的だ」と思ったくらいだ。

「流れ星におねがい」は、主人公の桃子が運動会のクラス対抗リレーの選手になぜか、
選ばれてしまったことから始まる。
この競技のサブタイトルは「校長先生におねがい」。
優勝したクラスは、ご褒美として、校長先生に
なんでもおねだりできるのだ。

桃子は足が遅いのに「体育係り」というだけで、
リレー選手をおしつけられ、いやなことがあると
いつも相談に行く用務員の仙さんの元に行く。

以前から、森絵都さんは、甘いなあ〜、
と感じていたが、このお話はその中でも殊更甘い!
悪い意味で言っているのではない。
児童書でも大人向けの小説でも、現実的であればいいわけ
ではないと思う。
森絵都さんの持つ「爽やかな甘さ」が、きっと読者を癒すのだ。

これを読んだ6年生が、その爽やかな甘さに気づいてくれますように。
そしてその爽やかさを、身につけてくれたら、もっといいな、
と思う。






posted by Helenaヘレナ at 11:18| Comment(4) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
森絵都さん、あまり読んでいないのです。
『カラフル』と『宇宙のみなしご』を読んで、離れてしまいました。
ヘレナさんの言う「甘い」はわかる気がします。その甘さが心地よく響く場合と響かない場合があるのかな、と思うのですが、多くの方に支持されている森さんの本、ひねくれた大人になってから読むよりは、きっと物語の主人公の現役世代の子どもが読むのとでは違うのでしょうね。
司書さんは好きな本を紹介するだけでは勤まらないので、頭が下がります。

Posted by kmy at 2007年02月26日 19:28
ああ、この本、6年生のブックトークでも使えるのですね。
なんか中学年の読み物という固定観念ができてしまっていました。
それにしても、全学年にブックトークできてうらやましいです。ウチはそういう時間が取れません。
ヘレナさんの学校の子ども達はシアワセです。
Posted by nora-taka at 2007年02月26日 23:12
kmyさま、
私もこの仕事に就かなければ、
森絵都さんの本は読まなかったかもしれない、
と思うことがあります。
それまで児童書というものに、全く縁がなかった
ので、最初はその展開にとまどいを感じましたが、最近は、大人の本を読むと、
「ああ、文字が小さい。ルビがない。
回りくどい・・・」となってしまいました。
様々な本を読む機会に恵まれたこと、というか
読まざるを得ない状況になったことも、
この仕事の役得のひとつです。


Posted by Helenaヘレナ at 2007年02月27日 08:59
nora-takaさま、
この本6年生の支持を得るか、は
ちょっとわかりませんが、
意外にいけるかも、なんて思いました。
全学年にブックトークできて、確かに嬉しいけれど、その準備に思ったより時間をとられてしまい・・・。
特に6年生には、本の紹介というより、
卒業に向けてのメッセージという意味合いが
強く出てしまうので、難しいです。
Posted by Helenaヘレナ at 2007年02月27日 09:05
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