2007年05月17日

さあ、どれにする?

2年生の先生が午後から出張になり、
急遽5校時に読書の時間が入ることになった。

「すみませんねえ。先生。静かにするように、よっく、
言い聞かせましたので」と担任の先生。

寸前まで面倒を見ていた教務主任の先生からも、
「〇くんと△くんには、静かにしないと、図書室に入れてもらえないよ、
って言っておいたので、よろしくお願いします」
と念押し。

そうなのだ。
2年生は大物ぞろいのスゴイ!学年なのだ。
総児童数90人を切り、学校集会も6年生を中心に、
水を打ったような静けさ。
校長先生が感激して、毎回「素晴らしい!」を連発している今年の我が校にあって、
2年生はまさに異色の存在

図書室にやってきて早々、件の〇くんがドアのところで
止まってしまった。
「せんせい、せんせい、これさ、ホントに先生?」
ドアに貼った私の似顔絵のことを言ってるに違いない。
なんとかなだめて入れて、はじめの挨拶をしようとしたら、
今度は△くんが座ってくれない。座るまで5分。
ここまでは、まだ想定内

挨拶してすぐに、クラスのリーダー的存在の男の子から
「いつもちこくのおとこのこージョン・パトリック・ノーマンマクヘンシー」(ジョン・バーニンガムさく あかね書房)を読んでくれとリクエストされる。
いいでしょう。この本は、私も大好き。
いつかは読んであげたいと思っていた。
主人公の男の子がライオンにズボンを破られるところでは
笑い声が起きたり、先生の仕打ちに対して「ひどい」と非難の声が漏れたり・・・。
反応がある、ということは集中している証拠。
元々このクラスは本が大好き。
毎日でも借りに来る子がたくさんいる。
しかし、気がつくと、何人かの男の子が椅子の上に足を乗せて伸び上がるようにして見ている。
読み終わってちゃんと座るように促してから
「先生、この本大好きなの」と言うと、
「うん、オレもすき〜」「おもしろいもん」と声が返ってきた。
「そうだよね。お話も面白いし、色もきれいでしょう?」と言うと、
「うん」と大きく頷いてくれた。
いや、なかなか感性のいい子達だ。
ちょっとぐらい、騒がしいのが何よ、活気がある証拠だわ!
と気を取り直す。

次に読んだのが、同じジョン・バーニンガムの
「ねえ、どれがいい?」
この本をこの人たちに読むのは、危険かもしれない、と思ったのだが、
いや、この人たちだからこそ、読んであげたい、
という気持ちが勝ってしまった。
予想通り、大盛り上がりで、1ページ読むごとに
「あのね、先生、オレね・・・」
と勝手に喋り出す子が続出。
しかし、あまりに嬉しそうで、こちらまで嬉しくなってしまう。
「お父さんが学校で踊るのと、お母さんが喫茶店で怒鳴るのどっちがいや?」というページでは
「おとうさんが踊ってくれたら嬉しい。家で踊ってくれないから、
学校で踊ってるの見れると最高!」
という女の子がいて、
なんてハッピーな子なんだろう、と感動してしまった。
しかしながら、本を読み終わった時には、ほぼ全員が立ち上がっていた・・・。

三冊目の「キャベツくん」(長新太 文・絵 文研出版)
を読んだ時には、プッツリ、緊張(最初からなかったかも)
の糸が切れてしまった。
そういうわけで、終わりの挨拶の時には、
こう言わなければならなかった。

「ねえ、どれがいい?
担任の〇〇先生に怒られるのと、
校長先生に怒られるのと、
ヘレナ先生に怒られるのと、
さあ、どれにする?


今までの騒ぎがウソのように静まり返った後、
「・・・・ヘレナ先生」と小さな声が返ってきた。







posted by Helenaヘレナ at 15:37| Comment(4) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最後のオチが素晴らしい!
うちの学校にも、自由読書にすると、動物園のようになてしまうのに、読み聞かせはよーく聞けるし大好きというクラスがあります。
それにしてもお疲れ様でした。
Posted by nora-taka at 2007年05月17日 23:34
nora-takaさま、
今朝、担任の先生から「昨日は大丈夫でした?」と声をかけられました。
「はい、すべて想定内でした」と答えたところ、
にこにこしながら、「何かあったんですね」。
基本的に、騒がしいクラスは好きですが・・。
しかし、入学当初から彼らが物怖じしたところを見たことがありません。
Posted by Helenaヘレナ at 2007年05月18日 09:04
なんだか目に見えるようです^^。
お疲れ様でした。

「ねえ、どれがいい?」は、私も好きですが、こういう問いかけモノは、ほんと相手を選んでしまいます。
なるべく少人数のところで・・・とか。

たまたま、昨日児童館で、サークルの仲間がこの本を読みました。やはり、読み手を取り囲むように迫ってきて、想定内(?)の盛り上がりでした(笑)。
Posted by 森クマ at 2007年05月18日 12:16
森クマさま、
そうですね!この日は、15名のクラスでこれ
でした。まあ、メンバーにもよりますが。
以前27名のクラスでやって、やっぱり拡散してしまいました。
10名程で、比較的まとまりのよいクラスだと
いいかも・・・。
興奮して、その後落ち着かなくなってしまう危険がありますからね(笑)。
Posted by Helenaヘレナ at 2007年05月18日 15:58
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