2005年07月28日

夏休みの図書室には“ときめき”もある(?)のだ

ブログ用ビジュアル 003.jpg(図書室から見える風景)
 
三年前、ワケあって児童数100人ほどのこの小学校の図書室の先生になった。なる前は、学校の中でもアカデミックかつミステリアスな場所である図書室の日々に、優雅な夢を描いたものである。いつも花やグリーンでいっぱいにして、ナチュラルな小物を置き、好きな絵も飾ろう。“図書室”という硬いイメージではなく、本好きな子ども達が落ち着いて読書できるようなサロンのような場所にできたら・・・。子どもに免疫はなかったが、図書室にくるような子はきっと大人しくて手がかからないに違いない。
 
 しかし、現実は当然ながら、優雅ではなかった。まず仕事がたくさんあった。これは予想していなかったことである。
本の整理整頓はもちろん、新しい本の発注・購入・受け入れ作業、図書室便りの作成、廊下及び図書室内の掲示物の作成、図書委員会の運営・指導、図書集会の企画・開催、こわれた本の修繕、etc・・。>(メンドクサイ人は太字はとばして読んでください)

休み時間になれば子どもの相手をしなければならないし、担任の先生から頼まれれば授業もやらなければならない。それも教科書などというものはないので、自分で考えて必要があれば教材も作らねばならない。45分間という時間は、恐ろしく長いのである。
その上、やれ交通安全教室だ、体力テストだ、児童集会だ、運動会だと、小学校は行事が目白押しである。今でこそ、協力をお断りしているものもあるが、最初はわからなかったので、とにかく全部出ていた。なんだかわけがわからないが、やたらハードな仕事である。

 しかも悲しいかな、こんなに仕事しているにも関わらず、図書室の先生というのは、世間から見ても、子どもから見ても、“ヒマ”かつ“地味”な存在らしい。
「せんせいは、僕たちが授業してる時、ここで本よんでるんでしょ。ズルーイ!」
特に悪気があるわけではないだろうが、子どもからそう言われると、つい大人気なく興奮してしまったものだ。
「何言ってんの!これでもすご〜く忙しいんだからね!大体あそこに貼ってある本のクイズは誰が作ったと思ってんの!私よ私!」
 しかし最近では「そうよ〜、貴方達があくせくお勉強してる間、私はここでご本読んでるのよ〜ん」と答えることにしている。
子どもは悲壮感漂う大人より、余裕のある大人に感動するものである。
「いいなあ、わたしも図書室の先生になりたい〜」と言わせれば、しめたものである。

 さてものすごく長い前置きになってしまったけれど、そんなこんなで三年間もやってしまった。今は夏休み。その平和な夏休みの図書室に来客があった。勤務一年目に卒業した最初の教え子(?)である。現在中学三年生の少年二人。
「先生、おぼえてますか?」と言われた時、わからなかった。
あまりにステキになっていたので。思わず白髪を染めるのを忘れていたことを後悔したくらいだった。

彼らのことは、最初の年ということもあってとても印象に残っている。
派手で頭のいい子が多かった。6年生にしては大人びている気がした(他に6年生というものを知らなかったからかもしれないが)。
問題がある子が多いと聞いてはいたが、よく本を読む子達だった。
休み時間はいつも、図書室は6年生でいっぱいだった。
生意気で「先生給料いくら?」とか「なんで図書室の先生なんて、さえないものになろうと思ったの?」とか腹の立つことも聞いてきたが、私は彼らが大好きだった。
卒業文集の寄せ書きには「二十七人の恩師たちへ」というタイトルで書いた。学校のイロハを教えてくれたという点では、彼らの方が先生だった。

 図書室の先生は担任の先生には到底かなわない。覚えていてくれるだけで御の字なのだ。
帰りがけ、廊下に掲示してある「さかな漢字クイズ」に目をとめた二人は、真剣にそのクイズに挑戦し「面白いことやってますね」と言ってくれた。
在校生の子達は誰もそんなこと言ってくれない。うれしい〜!と思っていたら、「○○小学校も」と続けた。
「何言ってんのよ、これは私が考えたのよ、私が〜!」ついつい大人気なく叫んでしまった。成長していない先生の姿に彼らも安心したのではないだろうか。
posted by Helenaヘレナ at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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