昨日、書いた「石のコレクション」にちなんだ本の紹介です。
「あたまにつまった石ころが」
キャロル・オーティス・ハースト 文 ジェイムズ・スティーブンソン 絵 千葉茂樹 訳 光村教育図書
「あいつは、ポケットにもあたまのなかにも石ころがつまっているのさ」と、周囲の人に言われるくらい石が好きで、ひまさえあれば石を集めていた男の人のお話。
舞台は大恐慌前後のアメリカ、マサチューセッツ州。石が大好きで、でも「石ころじゃあ、金にならんぞ」と言われ、ガソリンスタンドをオープン。スタンドの中には石のコレクションを飾る棚があり、鉱山のコミ捨て場でみつけた石や友人と交換した石が並べられ、種類やとれた場所を書いた手書きのラベルが貼ってあった。車の部品がとぶように売れ、商売も軌道に乗ったと思われた矢先、大恐慌が起き、スタンドは廃業、そして失業。
主人公は、他人から見ればお金にもならない石ころを集めているもの好きですが、結局はそのものずきを認められて、科学博物館の館長になります。
作者は元学校図書館司書。このお話の主人公は作者の父親で、作者はあとがきに『父ほど幸福な人生を送った人を、わたしはほかに知りません』と書いています。
自分の“好き”をつらぬくことの大切さをこの本は教えてくれています。
小学校の図書室だよりでこの本を紹介した時、「わたしもみなさんに、この主人公のような幸せな大人になってほしいと思います」と書きました。子どもにその意味がどれだけ伝わったか、定かではありませんが・・・。