2005年08月31日

図書室の書棚から “いい先生ってどんな先生?”

学校には先生がいっぱいいます。先生だらけ。
私だって先生と呼ばれているくらいなのだから。でも・・、
“いい先生”って、どんな先生なのでしょう?

いい営業マンは商品をたくさん売ることができる人だし、
いい大工さんは、確かな技術でお客さんの望む家を建てられる人です。
ちなみにいい司書は、
資料を熟知し、利用者を熟知し、その両者を結びつけることができる人、
だと本には書いてあります。
こうやって考えると、いい仕事をしているかどうかは、
技術(テクニック)によって計られる場合が多いようです。

でも、学校の先生はどちらかというと人間性によって計られることが多いような気がします。
いい先生=いい人???
私は尊敬できるいい先生を1人知っています。
その人は、確かに人柄も良かったと思います。
でも同時に高い技術を持った先生だったと思います。
子ども達から信頼されなければ先生は勤まらないけれど、
信頼されるためにはテクニックが必要なんだ、と
私はその人から教わった気がします。
テクニックというと冷たい感じがするけれど、
子どもの気持ちを理解して、的確な対応をするためには、
専門的な技術が必要でしょう。

そういう観点から、いい先生について書かれた本を二冊。

ありがとうフォルカー先生jpg.JPG

「ありがとう、フォルカーせんせい」(パトリシア・ポラッコ作・絵)岩崎書店

トリシャは絵がとても上手。
でも本をよもうとすると、字がくねくねした形に見えて、さっぱり読めません。
そのせいで、クラスメートにばかにされ、自信をなくしていきます。
新しく担任になったフォルカー先生は、トリシャの絵をみんなの前でほめてくれ、
今までと全く違ったやり方で字を教えてくれました。
そのおかげで本が読めるようになったトリシャ。
トリシャは作者パトリシア・ポラッコの子供の頃の姿でした。

トリシャは、LD(学習障害・・知的発達に遅れはないのに、学習面で習得の困難さを示すこと)ですが、フォルカー先生に出会ったことで、本来の自分を取り戻し、新しい世界を発見することができました。
フォルカー先生も素晴らしいですが、トリシャのおばあちゃんもとてもステキな人です。
「わたしってみんなとちがう?」
不安げにそう尋ねるトリシャに、おばあちゃんはこう答えるのです。
「みんなとちがうってことは いちばん すてきなことじゃないか」

てん.jpg

「てん」(ピーター・レイノルズ作 あすなろ書房)

トリシャは絵が上手でしたが、この主人公のワシテは絵が大の苦手。
「おえかきのじかんがおわった。でもワシテはいすにはりついている。かみはまっしろ。」
せんせいはそれを見て、「なにかしるしをつけてみて」と言います。
ワシテは腹立ちまぎれに、点をひとつ紙につけました。
せんせいはワシテの描いた点をじっくりながめると、ひとこと。
「さあ サインして」
次の週、ワシテの描いたあの点が、立派な金色の額縁に入っているではありませんか。

絵は本来きまりのない自由な自己表現です。
このせんせいはそのことをワシテに気づかせてくれたのですね。
コンプレックスにがんじがらめにされて固まっていたワシテ。
額縁に入れられた最初の点は、そんなワシテ自身が描かれています。
その点がきっかけで、豊かな点をどんどん描けるようになったワシテ。
自信と勇気を与えてくれたせんせいへの感謝のしるしに、
今度はワシテが展覧会を見に来てくれた男の子に言うのです。
「おねがい・・・・サインして」



posted by Helenaヘレナ at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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