2005年10月14日

読み聞かせ“見えるもの 見えないもの”最終回

3年生に行ってきた“見えるもの見えないもの”の読み聞かせも
今日で最終回。
3年生にはちょっと難しかったかな、と首を傾げつつ、
“自分の仕事に疑問を持つことはいいことだ”と
訳のわからない開き直りをして、なんとか最後を迎えることができた。

「今日は先週のフレデリックを思い出して、想像力をフルに発揮してもらいましょう」
「最初に読む本のタイトルはコレです」
「雨のにおい星の声」(赤座憲久 ぶん 小峰書店)の表紙を見せ、「この題名から、どんな本なのか想像してみてください」
「雨のにおい」は容易に想像できるが「星の声」となると詩的想像力が必要になるはず。
「では、最初にちょっと読んでみます」最初のページを読む。

雨のにおい星の声.jpg

「どしゃぶり」
雨が ふってきた
土くさい
土くさい
どしゃぶりだ(本文引用)

「こういう文を何というかな?」
女の子がおずおず手を挙げて答えてくれた。「詩」
そうですね。みなさんが、「どしゃぶり」という題名で詩を書くとしたら、こんな風に書くしょうか?
この詩は「土くさい」という、そう、匂いでしゃぶりを表現しているけれど、
みなさんだったら、どんな風に書くかな?
しばし、沈黙。ぽつりぽつりと「ハリケーン」とか「音」とかいった言葉が出てくる。
「では、どしゃぶり、ではなく、バラの花、という題名だったらどうですか?
そうだね、バラの色とか、形とか、書くね。でもこの詩を書いた人達はこんな風に書いたの」

「この花のにおい、子ネコの背中みたい」
「これは、毛糸のセ−ターみたい」
「この花 かいでごらん。フルートの音色みたい」
「リンゴの、しんのようなにおい」(本文引用)

「みんな匂いだね。さあ、これを書いた人はどんな人だと思いますか?
実はみなさんと同じくらいのこどもが書いたの。みなさんと同じなんだけど、ひとつだけ、みなさんとは違ったところがあります」
なまえ、とか、せいかく、といった言葉が出る。
「この本には、目の見えない子供達がかいた詩が収められています。
目が見えない人も詩を書くんだよ。詩というとみんなは目で見たものを書くことが多いかもしれないけれど、目が見えない人達は、どんな風に書くかな?まず、今、言った匂いだね。
他に何がある?」
「さわった感じ」男の子が嬉しそうに答える。
「そう、さわって確かめるんだよね」
動物をさわって粘土工作をした詩を読む。仏像をさわった時の会話を読む。
「他には?そう音だね」
ライオンのほえ声で、大きな口とキバを粘土で作った文を読む。植木鉢の土が水を吸い上げる音を書いた作文を読む。
「後は?そう大切なこと忘れてませんか?フレデリックだよ。想像力です」
この本に書いてあるけど、目が見えないと、テレビよりラジオでしょう、と普通の人は考えるけれど、目が見えない人はラジオのニュースは原稿をめくる音がしない、ラジオのスポーツ放送はアナウンサーがしゃべりすぎて、想像する余地がない、と思うようなのです。
「最後に4年生の男の子が書いた「星」という詩を読みます。
目が見えなくて1度も星というものを見たことがない人に、みんなはどんな風に星を説明してあげますか?」
「まるくて、光ってて、黄色くて」さっきの男の子がまたニコニコしながら答えてくれる。

         「星」
星は キラキラ光っているとみんんががいう。
ぼくは 星をしらない。
でもなんだか ネコのなき声みたいな気がする。(本文引用)

「ネコの鳴き声ってうまい言い方だね。この子は、きっと星がすごく見たかったんだろうね。
だから今まで経験した匂いやさわった感じや、音なんかを総動員して一生懸命星を想像したんだと思う。みんなも、普段目が見えない人のことなんかあまり考えないと思うけど、でも、たまには、自分と全く違う人、違う国の人とか,
違う境遇の人とか、目が見えない人とか耳が聞こえない人とかが、どんな風に考え、感じているのか考えてみてほしい、と思います」

次に“見えるもの、”の本を読みます。
「森の大きな女の子」(エヴェリン・ハスラー文 セーラー出版)

森のお大きな女の子jpg.JPG

人なみはずれて大きいせいで、森の奥深くに人目をしのんで暮らしている女の子。
ある日、森番が森にやってきて、女の子に一目ぼれしてしまう。
カーニバルに誘おうと女の子の家をたずねると、
大きな大きな女の子がすやすや寝ているのが目に入った。
森番は、女の子を起こさないように家を後にする。
カーニバルがあると教えてもらった女の子は、
「大女」に仮装したつもりで、出かけていくが・・・。

読み終わって、
「どうしてこの本を“見えるもの”の本に選んだのかわかりますか?」
誰も答えないので、
「今わからなくてもいいです。理由はいいませんが、考えてみてください」

終わった感想は正直苦しかった。
反応がないというのは、読んでる方にもつらいものだ。
今回に限らず、いわゆる福祉関連で、障害のある人の話をすると、
子供達は、大体黙り込んでしまう。
中には、本や私から目をそらしてしまう子も。
子供は本来明るくて楽しい話が好きだ。
だから負の要素には目をそむけてしまうのだろう。
でも、障害のある子は「そのネガティブな要素も含めて自分なのだ」
と言うに違いない。
この3回で読んだ本のひとかけらでもいいから、子供の中に残りますように。
posted by Helenaヘレナ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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