2008年02月05日

書棚を整理していたら・・・

もう2月―。
そろそろ今年度の廃棄をしなければ、と思ってはいるものの・・。
寒い時期の廃棄作業はつらい。
一つには手が汚れるのでしょっちゅう洗いたくなるのだが、
図書室の洗面台は凍結防止のため4月まで水道が止められている。
もう一つは、本が冷え切っていて手にとると冷たい。
(子ども達はこんな冷たい本を、毎日せっせと借りにきてくれるのだ、と思うと、ありがたい。)

それでもちょっとやろうかな、と書棚に行くと、
あるある・・・全く読まれないまま冷え切っているシリーズ本たちがぞくぞくと。
様々な作家が執筆していて「こども〇〇シリーズ」「〇〇創作童話」
といったシリーズ名がついている。
大体全10巻〜20巻くらい。

殆どが私が来る前に購入されたものだが、私の知る限り子どもが借りているのを見たことがない。
だからなのか、やたらに綺麗で、購入年も平成4、5年と
比較的新しい(が、もう十五年前か)ものが多い。
書棚を逼迫しているとはいえ、こういう本をリサイクルという名目で捨てるわけにはいかないので、学級文庫に下ろすことにしている。

そんな中、おっ、これは!!と思うシリーズもある。
それが「フレーベル幼年どうわ文庫」20巻。
購入年は昭和63年で、背の部分のタイトルが日焼けして消えてしまい、マジックで上からなぞってある。
中が汚れているのもあるが、執筆陣が魅力的だから、廃棄できない。

この前もブックトークの本を探していて、その中の一冊を
読んでみた。

あのひの音だよおばあちゃん 新装版
佐野 洋子
457703476X


雪の夜、小さな家に暮らすおばあさんと一匹のねこ、
という設定に、あっとういまに物語に惹きこまれ、
読んでいる間中ずっとワクワクしつつ幸せで、
読み終わってからも、充実感が続く、こういう本には
なかなか出合えるものではない。

しかし、始まりは穏やかそうに見えて、
徐々に過激でぶっとんだ世界に巻き込まれていく。
雪道を自転車こいでやってくる、巨大な黒ブタを見た時は、
長新太さんの絵本に出てくるキャラクターを思いだした。

そして本を読みながら、私って若い時と好みが変わったのかしら・・・
と自分自身に照らし合わせてみたりできるところがまたすごい。

ごくふつうの平凡なおばあさんとねこの暮らし。
華やかなイベントもなければこれといった事件もない。
若い時ならすっかり退屈してしまう日常風景を
もしかしたら、これって私の憧れの生活かも・・・、
なんてウットリして見ている。
おまけにその退屈な生活に闖入してきた天才的なクロネコを
歓迎するどころか、なんとなくうっとおしいなあ、と思ってしまう。

あとがきには、ある天才ミュージシャンの話が語られている。

「私は自分が凡人であるのがしみじみ淋しくうれしいのである。
人のくらしはささやかなものである。そのささやかなものの中
にしか幸せはない」(あとがきより引用)

という言葉にう〜んと唸ってしまった。

こういう文章を読むと、自分の思いを物語に再構築できるのが作家なんだなあ、
とあらためて思う。

こんなすごいお話と絵を描いてしまう佐野洋子さんが凡人なんて、
超凡人の私からすると、ちょっと違うんじゃないの?なんて
思っちゃうけどね・・・。









posted by Helenaヘレナ at 12:02| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この本、気になります。今度図書館で探してこようと思います。
平凡な生活に介入してきた天才クロネコという設定がどんな物語になっているのか?と。
なんとか全集のようなものは今あまり流行らないのかもしれませんね。昔はそういうシリーズが多かったので、シリーズで読むと結構いろいろな作家の本を読んだものですが。
Posted by kmy at 2008年02月07日 13:13
kmyさま、この本かなりオススメです!
おばあちゃんとねこの会話がとても面白くて、
勿論子どもも楽しめますが、深い部分まで理解できるのは、大人なのだろうな、と思います。
実感として身にしみる、というか。

シリーズにはいろいろな作家を読めるというメリットがありますね。
kmyさんのコメントを読んで、なるほど、と思いました。
Posted by Helenaヘレナ at 2008年02月08日 09:19
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