2008年05月31日

君はもう出発したか?

久しぶりの記事更新。
あまりに長らくやっていなかったので、
どんな風に文章を綴ったらいいのかもよくわからない。
自分のだけでなく、リンクをはらせていただいている方々のブログにも
ずっと行っていなかった・・・。

みなさん、お元気でしょうか?
後でまたお邪魔します。


平成20年読書マラソン、本の森たんけんが始まった。
2年生が8日に先陣を切って出発した翌週には
4年、3年、5年と次々出発していった。
出発の前に説明を兼ねたオリエンテーションをするのだが、
実はそこでつまづいてしまったのだった。


私には一つ計画があった。
オリエンテーション時に、4年〜6年生の高学年には
本の森たんけんのリストに挙げた本のブックトークをしようと思ったのだ。
前任校では、よくブックトークをした。
1学年につき1時間という長い時間だったが、
みんな集中して聞いてくれたし、紹介した本には予約が集まった。

ところが4年生のオリエンで、一通りルールの変更点を説明した後、
「では、リストの本を何冊か紹介したいと思います」と言った途端、
「え〜!!」と2、3人の子から、明らかにブーイングと思われる声が出た。
「自分で本を読んだ方がいい」と言う。
そうか、そういう考え方もあるよな、では短めに、と、とりあえず2冊紹介し、
3冊目をとりあげようとした時、ある男の子の
「もう、いいよ、紹介しなくて」という言葉に、私は思わず切れてしまったのだ。

「いいから、聞けっ!!!」

気がついたら、そう怒鳴っていた。思いっきりドスの利いた声で。
一転、シーンと水を打ったような静けさ・・・・。
「あれ?この先生こんなキャラだっけ?」
という表情がどの子の顔にも現われている。
担任の先生がすかさずその男の子を注意した。
「そうよ!あなたが悪いのよ。そんな失礼なこと言うから怒られたでしょ!」

以来、情けないことに、自信をなくしてしまったのである。

5年生も、担任の先生が出張でいなかったこともあり、
説明の段階から、一部の子供が騒いで全く話を聞かない。
ブックトークは、始める前にあきらめた。

ブックトークを聞いてくれなくても、子ども達は本の森たんけんには
熱心に参加してくれているし、態度も実に素直。
子供のせいではなく、私の力不足なのだろう。
もっと勉強しなくちゃ、と前向きに考えてみたものの、
モチベーションは下がる一方。

そんな中、修学旅行から帰ってきた6年生のオリエンを迎えた。
ブックトークをやるのか、それとも説明だけして後は自主読書をさせるのか、さんざん迷った。
でも、4月の図書室利用開始時にやったオリエンテーションで
6年生が静かに聞いてくれていたことを思い出して、とりあえずやってみることにした。

始まる前に担任の先生から
「私、(ここに)いなくてもいいですか?」と聞かれた。
ちょっとがっかりしたが、
「はい。6年生のことを信頼していますから」と答えた。
まず、名称を「読書マラソン」から「本の森たんけん」に変更した理由を説明した。

読書は汗水たらして、がんばって成し遂げるものではない、と思う。
「マラソン」ではなくて「探検」にしたのは、みなさんが5年間利用しても、
まだ知らない本がこの図書室にはたくさんあって、
そういう未知なる本を発見して、未知なる世界を見つけられたらいいなあ、と思ったからです。


その後、福音館書店のたくさんのふしぎ傑作集から3冊、
「砂漠の花園」「森へ」「ダーウィンのミミズの研究」
を取り上げ、6年生になっても絵本を読んで欲しい、という思いから
「算数の呪い」「あなたがもし奴隷だったら・・・」を紹介した。

気がつくと、職員室で仕事をしているはずの担任の先生がまだいて、
じっと話を聞いてくれている。
おまけにその後ルール説明をしている時、私がさっき紹介した本を
熱心に読んでいた。

6年生は33名全員がじっとこちらを見つめて話を聞いてくれていた。
終わった後担任の先生に、
「ありがとうございます。最後までいてくださって」と言うと、
「話が面白くて、つい聞いてしまいました。」と言ってくださった。

それから、自分も「マラソン」という言葉と、先生から言われた本を読むという主旨には
違和感を感じてきたこと。
子供から「先生、自分の読みたい他の本を読んではいけないんですか?」と聞かれた時、
「自分の好きな本を読みなさい」と答えたこと。
そして最後に、
「ヘレナ先生の選ぶ本は面白いですね」と言ってくださった。

この時、異動の時からずっと自分の頭にかかっていた暗い霧が
みるみる晴れていく気がした。

こうして、ようやく私も出発できたのだった。
でかけましょう!本の森たんけん♪

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増殖中!本の森番キャラ

tsuushinn通信.jpg

本の森通信5月号をようやく先週配った。
今回は「本の森たんけん」リストの本を学年ごとに紹介した。

その時使ったのがこのキャラたち。

つうしんキャラ.jpg

4月号の時は、一番上の「ゆかいな本」のキャラしかなかった。
それがいきなり「かんどうする本」「ハラハラドキドキする本」「はっけんがある本」と増えた。

全部、娘が描いてくれた絵をスキャナーでとりこんで作った。
娘のいた前任校では、多分できなかったろう試み。

とても気に入っている。

一番のお気に入りは、このサファリルックに身を包んだ
「本の森たんけんツアー」キャラかな!?

gennga原画.jpg
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2008年05月10日

“本の森たんけん”へでかけましょう

昨年、子ども達の読書の幅を広げる目的で、
“読書マラソン”なるものが実施されたらしい。
教師、司書が学年ごとに40冊の課題図書を選定し、
子供はそれを読んでいく。
1冊読めば、スタンプを1つ押してもらえる。
20冊でプレゼントがもらえる。
40冊読んでゴールしたら、賞状がもらえる。
しかし、ただ読めばいいというものではなくて、
1冊につき感想を書かなくてはいけない。
子ども達は今までになくはりきって読書し、この試みは大きな成果を挙げたらしい。

この話を聞いた時、正直ちょっとやだなあ、という感じがした。
読書推進活動としては素晴らしい企画なのだろうし、
前任の司書の方の努力は認められるべきものだが・・・。
つまりは私の趣味に合わなかったのである。

読むのが早い子は2ヶ月程でゴールしたらしいが、
そうでない子は期間の2月ギリギリまでかかったという。
図書室便りには「がんばりましょう」とか「ポイントを稼ぎましょう」という言葉が幾度となく出てくる。

この活動に抵抗のある子もいたようだが、
しかし多くの子は(特に低学年の子は)楽しんでいたらしく、
「先生、読書マラソンいつからですか?」と何度も尋ねられた。
それに今年度の教育課程にも入っているので、とにかくやらければならない。

しかし、前年度のやり方、書式すべてそのままやる気はしなかったので、
私なりのやり方に変更させていただいた。
発案者である校長先生はこの4月異動されたので、その点は大目に見てもらえるだろう。
前任の方が3月に児童、職員にとってくれたアンケートを基に、
改善点を洗い出し、自分の考えを加えて変更案を提案した。

・まずタイトルを「読書マラソン」から「本の森たんけん」にした。
マラソンもいいが、ゆっくり、時には立ち止まって、周囲の風景や足元に咲く野の花を楽しむ余裕を持って読書してほしい。

・40冊ゴールが大変な子にはその手前の30冊ゴールも用意した。
30冊ゴールでは賞状を、40冊ゴールでは「本の森マスター認定書」がもらえる。
「本の森マスター認定書」とはいかなるものか?
それは、ゴールしてからのお楽しみ!(というか、私にもまだよくわからない・・・・)

・4年〜6年生は、テーマが似た2冊の本から選択できるコースを何冊か設けた。

・3年生以上は「あなたのお気に入りの本」を1、2冊リストに加えることができるようにした。

・「感想」を書かせるか、という点は相当悩んだが、これを無しにしては提案が通らないだろうことが予想されたし、最後に製本してあげたら子ども達は大喜びだった、という話も聞いたので、
上手に書けなくても記念になればいい、というぐらいの気持ちで続けることにした。

提案は案外すんなり通った。

8日から2年生が探検に出発した。
私の手元にはすでに20通ものかわいい感想が届いている。

来週になれば他の学年も次々出発するだろう。

子ども達の探検がワクワク、ドキドキする楽しいものになりますように!
それは、子ども達自身と、そして案内人である私にかかっている。

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2008年03月14日

思い出の本

今年度の貸し出し、返却ともに終了。

「先生、春休みの本の貸し出しはいつですか?」
何人かの子にそう聞かれた。
「春休みの本の貸し出しはないの。3年生になったらまた借りてね」
と言うと、「えーっ」と残念そうな声が返ってきた。

次の貸し出しは4月になってから。
でも、今学期はまだ一週間ほどある。
展示コーナーに何もないのも淋しいし、
卒業生を送る意味もこめて、

「6年生の思い出の本」を展示した。

6nennseino.jpg

6年生の女の子が、ある日書棚の本を見ていて、
「あーっ、先生、私のルーツを発見した!」
と言って取り上げたのが「せなけいこ・おばけえほん」だった。
彼女は「ゲゲゲの鬼太郎」シリーズの大ファンなのだ。
「この本がきっかけで、妖怪好きになったんだよ」
嬉しそうな彼女を見て、この展示を思いついた。

実際に6年生に思い出の本を選んでもらったり、
私の方でこっそり読書ノートを見せてもらったりした。

6年生の思い出の本.jpg

また中学でも思い出の本をたくさん作ってください。



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2008年03月05日

卒業に贈りたい本

okuritaihonn.jpg

卒業式が近くなってきたので、展示を変えた。

sotsugyouni.jpg

本を選ぶのに苦労した。
「卒業」とか「旅立ち」といったテーマの本が案外ないのである。
小学校6年生が主人公の本は結構あるのだが、
舞台はまだ“夏”だったりする。

『ルピナスさん』は、毎年図書便りでも「卒業に贈りたい本」として
取り上げているので、まず思いついた。
「卒業」という言葉は一切出てこないが、私にとっては
“卒業生を送る本”。

『ありがとう、フォルカーせんせい』も、「卒業」ではないが、
「恩師」が出てくるので選んだ。

『春のオルガン』は、小学校を卒業した春休みが描かれている。

『ズッコケ三人組の卒業式』は、そのまんまだが、
今年の卒業生はこのシリーズをまったく読まなかった。

『アーモンド入りチョコレートのワルツ』は、『彼女のアリア』
というお話が「卒業式の朝」で始まる。

『ぼくと未来屋の夏』は、今年の卒業生がよく読んだ本だから。


卒業の本って、難しい。
他の学校ではどんな本を展示されているのでしょう?
来年の参考にぜひ教えてください。

この展示今日したのだが、ちょっと遅かったかな?という感じ。
今週の金曜日が最終貸し出し日なのだ。
う〜ん、なんだか焦るなあ。
でも、スケジュール帳を見ると、卒業式までまだ余裕がある感じ。
昨年度はもっときつかった気がする。
・・とよく考えてみると、そうか、今年は2月が一日多かった!
なんだか得した気分でした。


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2008年03月04日

幸福な人生

3年生の読書の時間も今日が最後。
私が一番伝えたいことがお話になっている本を読み聞かせた。

過去の記事でも紹介したヘレナ先生の
石コレクション。

それにちなんで―。

4895726304あたまにつまった石ころが
キャロル・オーティス ハースト Carol Otis Hurst James Stevenson
光村教育図書 2002-08

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私はこの本に出てくる作者のお父さんのような人に
なりたかった。
作者のキャロル・オーティス・ハーストがあとがきで言っているように、

「父ほど幸福な人生を送った人を、わたしはほかに知りません。」
(本文引用)

これほど幸福な人がいるだろうか?

家が貧しくて大学に行けなくても、
自分で興したガソリンスタンドが潰れてしまっても、
失業して、妻や友人から皮肉交じりに
「あなたの頭の中には石ころがつまっているのね」と言われても、
大学に行っていないせいで石の専門家として雇ってもらえなくても、
それでも、石を眺めていれば、すべてが満ち足りている人生。

以前、図書だよりで紹介したことはあったが
読み聞かせをするのは、これが初めてかもしれない。

この子たちになら、わかってもらえるに違いない、と思った。
社会的にも経済的にも恵まれていないこのお父さんが
どうして幸福と言えるのか?ということを。

読み聞かせの後、私の石のコレクションも見てもらい、
もう一冊本を紹介した。

4751523015岩石・鉱物図鑑 (「知」のビジュアル百科)
R.F. シムス
あすなろ書房 2004-01

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このお父さんのような幸せな人にしかわからない
ワクワクするような楽しい本だ。







posted by Helenaヘレナ at 14:23| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月29日

見やすい体質

最近6年生の女の子達から「こっくりさん」のことを聞かれる。
「先生、やったことある?」とか「やり方教えて!」とか。
挙句は「先生、10円玉貸して」。

私が小学校の頃はやたら流行っていたが、
今また小学生の間で流行っているのだろうか?
ちなみに私がやったことがあるのは「キューピットさん」。
「こっくりさん」は怖いし、祟られる心配があるけど、
「キューピットさん」は大丈夫!と聞かされていた。
紙に書いてやる本格的な(?)やり方は一度やって、
やっぱり怖かったので、他は友だち二人で手を握り合って
もう一方の掌に文字を書くやり方を何度かした。

好きな人が自分をどう思っているかと、自分の将来のことを
占ってもらう、というのがメインだった。
あの時、占ってもらった私の将来は確か「家具屋さんと結婚する
というものだった。
う〜ん、当たらずとも遠からず???

「先生やった時怖かった?」とか聞いてくるので
「う〜ん、でも最近のホラー映画ほどではないわね」と答えた。
「リング」なんて、私は予告や番宣を見るのも怖い。
「私、見たよ」というので、「怖くないの?」と聞くと、
「お父さんと一緒に見たから怖くない」と言う。
「でも、トイレに行く時とか思い出さない?」と側にいた女の子が尋ねる。
「そういう時は楽しいことを考える」
はあ、そこまでコントロールできるなんて、たいしたもんだ。

私は霊感ゼロだと思っているので、万が一霊がいても気がつかないだろうなあ、
と思うのだが、
例えば怖い漫画や小説を書いている人というのは、
もしかしたら、見える人なのだろうか?

優れた児童書をたくさん書いている斉藤洋さんの本にも
怪談ものが結構多い。
「ひとりでいらっしゃい」とか「うらからいらっしゃい」は
図書室にもあって、よく借りられている。

最近出た本では「ふしぎメッセンジャーQ」のシリーズがある。
「ぼくのあぶないアルバイト」と「思い出はブラックボックスに」
を昨年末に図書室で買った。
文章で書かれたページとマンガで書かれたページが入り乱れながら(?)
物語が進んでいく新しい形の本だ。
最初はちょっと違和感を感じたが、マンガ好きの私には読みやすく、
あっというまに読めてしまった。
便利屋のアルバイトをやっている小学生が主人公。
とても子供とは思えないほど頭の回転が早い、というか
世間ズレしているというか。
で、やっぱり霊が絡んでくるのだ。

すぐに人気が出ると思ったのだが、意外にも注目されず、
最近やった5年生のブックトーク「異界」のテーマで展示したら、
あっというまに予約がついた。
2冊とも只今貸し出し中である。

斉藤洋さんは霊に関してかなり詳しいようだ。
やっぱり見えやすい体質なのだろうか?
そういう人は怖いだろうな。
私は見えなくて良かった。

ところで「こっくりさん」とか「キューピットさん」って何のか?
いまだ正体がつかめない。
そういえば、6年生は「口さけ女」の話もしていた。
小学生の世界って時代は変わっても、あまり変わらないんだなあ。

4591097102ふしぎメッセンジャーQぼくのあぶないアルバイト (ポプラ物語館 1)
斉藤 洋 下平 けーすけ
ポプラ社 2007-03

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2008年02月28日

知らない町に旅に出よう―6年生にブックトーク

ロングの休み時間を利用しての読書活動最終日。
全学年へのブックトークも今日の6年生で最後だ。
しかし、一番緊張するのが6年生。

知らない町に旅に出よう.jpg

6年生は今、総合で「世界の国」について調べているので
ちょうどいいかな?と思った。

@「不思議を売る男」

不思議を売る男不思議を売る男
ジェラルディン マコーリアン Geraldine McCaughrean 金原 瑞人

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イギリスの古道具屋が舞台。
その古道具にまつわる物語を聞かせることで、次々商品を売っていく
正体不明な男、MCCバークシャー。
その正体は実は・・・・。
びっくり仰天の結末あり!

A「9番教室のなぞ」

9番教室のなぞ―幽霊からのメッセージ9番教室のなぞ―幽霊からのメッセージ
ジュリア ジャーマン Julia Jarman ふなと よし子

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ディスレクシア(読み書き困難)の男の子フランキーが主人公。
転校してきた聖オウラフ学校には、あるウワサがあった。
9番教室にはゴーストがいる!
様々な要素が盛り込まれている本で、とにかく面白くて夢中で読んだ。ビクトリア女王時代のイギリスの社会・学校がもたらした弊害や、ディスレクシアという非常に難しい病気のこと。
一応教育機関に勤めている者として、大いに考えさせられた。
でも「ディスレクシア」とか「セントオウラフ学校」とか、
口が回らない・・・・。

B「黒い兄弟」

黒い兄弟〈上〉黒い兄弟〈上〉
リザ テツナー Lisa Tetzner 酒寄 進一

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百五十年ほど前に、ヨーロッパで実際に行われていた子供の売り買い。その悲惨な現実。
衝撃的だったが、今でもどこかで子供が同じような目に遭っているかもしれない、と思った。

C「カモ少年と謎のペンフレンド」

カモ少年と謎のペンフレンドカモ少年と謎のペンフレンド
ダニエル ペナック Daniel Pennac 中井 珠子

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フランス人も英語で苦労しているんだ、と思うと少しほっと
するが、でも三ヶ月で英語をマスターするのはやっぱり無理でしょ、
と思う。
私なんて三十年近くやってるんだけど・・・。
この本は白水社から出ている。
白水社って児童図書も出しているんだ、と驚いた一冊。

D「竜退治の騎士になる方法」

竜退治の騎士になる方法竜退治の騎士になる方法
岡田 淳

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最後は、日本の小学6年生が出てくるお話を紹介した。
「こそあどの森シリーズ」や「選ばなかった冒険」
の作者岡田淳さんの本。
岡田淳さんといえばファンタジーという感じがするが、
こんな本もあるんだあ、と思った。
面白い。私はこういうお話、結構好きだが、子ども達はどうだろう?
でも、話をする限り、一番面白そうに聞いていた。
多分本に出てくる関西弁が面白いのと、
卒業文集とか、そういう話題が現在の自分達の日常に近い
せいかもしれない。
本当を言うと、この中で一番読んで欲しい本ではあるが、
どうでしょう?
反応が楽しみである。

以上の5冊を紹介した後、福音館の雑誌「たくさんのふしぎ」
の中から三冊を簡単に紹介した。
これもぜひ手に取って、世界の広さを感じて欲しい。

早口でその上かなり割愛して紹介した。
これで大体30分。

ブックトークもおしまい!
勉強になるし、好きな仕事ではあるけれど、
緊張するし、やっぱりかなり疲れる。
ほっとしたら、どっときた。
逆さに振っても、もう何も残ってない―、

と思っていたら、滞っていた他の仕事が山積みになって待っていた。
年度末と、卒業に向けて・・・。

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2008年02月26日

言葉の力

4834250474ピーボディ先生のりんご
マドンナ ローレン・ロング 村山 由佳
集英社 2004-03-05

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3年生の読書の時間に読み聞かせた本。
あのアメリカのロック歌手、マドンナの書いた本なのだが、
子ども達はマドンナを知らないので、そのことには特に触れなかった。
マドンナの本は図書室に4冊あるが、これが一番読み聞かせに向いている気がする。

町のみんなに慕われているピーボディ先生。
でも、ちょっとした誤解から泥棒扱いされてしまう。
内容が内容だけに、聞いている3年生も息をのんでお話の展開を
見守っているのが、読んでいても伝わってきた。
ピーボディ先生を泥棒に仕立て上げてしまった男の子が
謝りにいくところでは、「あー」という小さなささやき声が
聞こえてきた。
怒られるかな?とドキドキしたのだろう、と思う。
でも、ピーボディ先生が男の子にしたことは、
予測できなかっただろう。

ピーボディ先生の言葉が大人の私にも響く。

「この次からは、そんなにあわてて人を判断してはいけないよ。
それと、よーく覚えておくんだ。
自分の口から出る言葉に宿る、ものすごく大きな力のことをね」
(本文引用)

読み終わって、何か言おうと思ったが、結局
「・・・大体、わかっていただけましたか?」とだけ尋ねた。
子ども達は、みんな真剣な顔で頷いていた。


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2008年02月22日

ここではないどこかへ―

来週は6年生のブックトーク。
テーマは「見知らぬ国のすてきな町へいこう!」

そういえば私はいつも、どこか遠くへ行きたいなあ
と、ぼんやり夢想している子どもだった。
小学生の時から、自分は大人になったらここにはいない。
こいつら(クラスの同級生)とは違うところへ行くんだ。
と、生意気に思っていた。
どこへというはっきりとした目的地はなかったけど、
ただここではないどこかへ行きたい!知らない人たちがいるところへ行きたい!
私にとって生まれた土地にいることは、
ふりだしからずっと動かないことのように思えたのだった。

東京にいた頃の夢は、家財道具一切合切売り飛ばして、
イタリアへ放浪の旅に行くことだった。
目的地もはっきりして、自分としては随分現実的になったと思った。

ところがなぜか、イタリアならぬ、日本のスイス???
に来てしまった。


4035404209不思議を売る男
ジェラルディン マコーリアン Geraldine McCaughrean 金原 瑞人
偕成社 1998-06

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ブックトークの最初に紹介する本はこれにした。
古道具屋を営む、エイルサ母娘のもとに、不思議な男が現れる。
この男、本ばかり読んでちっとも働かないのだが、
古道具にまつわる物語を、アランビアナイトのシエラザードの如く
たくみに語ってみせ、次々に客に品物を売っていくのだった。
導入としてはいいかな?と思った。

他にも物語を4冊。
でも、時間があれば、こっちもぜひ紹介したい。

たくさんのふしぎjpg.JPG

福音館の雑誌「たくさんのふしぎ」。
観光旅行では決して行けないような、でもとても魅惑的な場所が
たくさん載っている。

世界を知ることは難しい。
ただ学校と家の往復をしているだけでは、何もわからないけれど、
とはいえ、そうそう外国旅行ができるわけではないし。

でも、一番大切なのは、好奇心で、それさえあれば、
ここにいながらにして、少しは世界のことを知ることができる
気がする。



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2008年02月21日

異界

5年生対象のブックトーク。
テーマは“異界”

ikaijpg.JPG

紹介した本はこの5冊。

@「おとうさんがいっぱい」

おとうさんがいっぱい (新・名作の愛蔵版)おとうさんがいっぱい (新・名作の愛蔵版)
三田村 信行

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短編集。ごく普通の人たちが、ある日突然不思議な世界に紛れ込んでしまうお話が五つ入っている。
以前「雨降り木曜日」でkmyさんが紹介されているのを見て
読んでみたいなあ、と思っていたら、なんと図書室にあった。
「灯台元暗し」。
異界って、私たちが暮らすごく普通の日常の中にも潜んでいるんだ。
そして、ある日パックリ口を開く・・・・。

A「鏡の中のアンジェリカ」

鏡の中のアンジェリカ鏡の中のアンジェリカ
フランチェスコ・コスタ 森友 典子 高畠 恵美子

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ある日、突然鏡が自分を映さなくなったら・・・・。
私たちは、実は自分の顔を自分で見ることができない。
鏡や写真がなかったら、自分を確認することもできない、
不確かな存在なのだ。
でも、もしかしたらちょっと気が楽になるかも・・・。

B「ふたりのイーダ」

ふたりのイーダ (児童文学創作シリーズ)ふたりのイーダ (児童文学創作シリーズ)
松谷 みよ子

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怖ろしいのは、幽霊でも鬼でもなく、実は人間なのだ、とわかる一冊。

C「鬼の市」

鬼の市 (新・わくわく読み物コレクション 7)鬼の市 (新・わくわく読み物コレクション 7)
鳥野 美知子 たごもり のりこ

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nora-takaさんの「おばちゃんらいぶらりあん」で知り、今日のために
購入した本。
「鬼迎え」の儀式って本当に、どこかの県でやってるのかな?
と思ったほど、理にかなっている気がした。
鬼好きにもたまらない一冊。

D「りかさん」

4037444208りかさん
梨木 香歩
偕成社 1999-12

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私が人形恐怖症を克服したきっかけになった記念すべき本。
「西の魔女が死んだ」のイギリス人のおばあちゃんといい、
この本に出てくるようこのおばあちゃん麻子さんといい、
梨木香歩さんの描くおばあちゃんはかっこいい!!
男の子にもぜひ読んでもらいたいのだが、この表紙を見ると
敬遠される。
「市松人形」の写真が載っているチラシと、「タカラトミーのリカチャン」
が載っているチラシを用意した。
子ども達に聞いたところ、市松人形が家にある子が一人、
りかちゃん人形が家にある子が一人いた。
私は子どもの頃、りかちゃん人形とBFのワタル君、友だちのいずみちゃん、お母さん、
りかちゃんハウスに車まで持っていた。
そのりかちゃん達はどこに行ってしまったのだろう。
最近はお人形遊びをする子はほとんどいないようだ。
持ち主の強すぎる気持ちを吸い取って整理してくれるのが、
人形の使命なら、今その役割を果たしてくれているものは
あるのだろうか?

「りかさん」には特別に思い入れがあって、
過去の記事にも書いたことがある。
詳しいストーリーが知りたい方はこちらも見ていただけると、
嬉しいです。



posted by Helenaヘレナ at 09:48| Comment(4) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月20日

感謝する本

昨日の放課後6年生の女の子から、
「先生、最後には感謝するっていうお話、ありますか?
できれば、みんなが知ってる昔話とかそういうのがいいんですけど」
と尋ねられた。

これは、もしかしたら図書館業務のレファレンスというものだろうか?
もっと詳しく話しを聞きたかったのだが、下校の音楽が鳴ってしまい、「わかった。探しとくね」と答えるのが精一杯だった。
児童会の女の子二人だったので、児童会活動の一環で、
「感謝の気持ちを忘れないようにしましょう」
というような呼びかけをするのかな?と勝手に推測した。

「最後に感謝する」のだから、それまではまったく感謝して
いなかったということだ。
ということは、それまではやりたいほうだいだった、
ということだろうか???

という路線で、アンデルセンやグリム、日本の昔話などを
探し始めたのだが、ぜんぜんみつからない。
「名作・おはなしの事典」(東陽出版)という昭和49年発行の
やたらに古い本があるのだが、それを見てもなかなか出くわさない。

とりあえずピックアップしたのが・・・、

・「あかいくつ」(アンデルセン)

・「ないたあかおに」

・「わすれられないおくりもの」

悩んでいるところへ、偶然6年生の先生が来たので、
何に使うのか尋ねてみると、
「6年生を送る会」の6年生の出し物に使うのだそうだ。
それを基に劇をするのだ、という。

なるほど。だったら「赤いくつ」はちょっと残酷だよな〜。
「わすれられないおくりもの」も最後は死んじゃうし・・・。

結局担任の先生と相談して、この4冊を貸し出すことにした。

葉っぱのフレディ―いのちの旅葉っぱのフレディ―いのちの旅
レオ バスカーリア Leo Buscaglia みらい なな

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わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)わすれられないおくりもの (児童図書館・絵本の部屋)
スーザン・バーレイ 小川 仁央

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かたあしだちょうのエルフかたあしだちょうのエルフ
おのき がく

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ないた赤おに (大人になっても忘れたくない いもとようこ名作絵本)ないた赤おに (大人になっても忘れたくない いもとようこ名作絵本)
浜田 広介

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最初思いついた本の中に「しあわせの王子」があったのだが、
よく読むと、つばめも王子も最後まで感謝されずに終わっていた。
私が読んだのは集英社の「こどものための世界名作童話」。
あらためて読むと、こんなに長いお話だったのか・・・と驚く。
子供用に短くしてあるのだろうから、原作は更に長いのだろう、
と思っていたら、訳者の今江祥智さんが、解説で

「昔、かなり長いと思っていたこの作品が、邦文にして僅か
三十枚たらずだったことに驚きながら、改めてワイルドのうまさに
舌をまきました」(本文引用)


と書いておられた。
幼い頃に聞かされただろうこのお話で私が覚えていたのは、
つばめが王子の剣の鞘からルビーを、目玉からサファイアをくりぬいて、貧しい人に贈った場面と、
王子のお手伝いをしていたために、結局南国に行けなかったつばめが、
最後は凍えて死んでしまうところだけだった。
王子は結局、身体を覆っている金箔も分け与えてしまい、
みぐるみはがされた上に、誰にも感謝してもらえなかったのだ。

ちなみに子どもは感謝しない。
悪気があって感謝しないわけではなくて、その余裕がないのだと思う。
自分の子ども時代を振り返っても、大人が自分にしてくれる事を
当然というか無意識にただ受け取っていた。
今になってようやく、あの時父や母やおじさんやおばさんが
ああいう風にしてくれたから、今私は元気で生きていられるのだな、
と思うことがある。
だから、私も今はまったくされなくても、この子達が大きく
なったら、いつの日か感謝されることもあるかもしれない。
期待しないで、待っていよう。

しかし、レファレンスというのは難しいな・・・。

4323036078しあわせの王子
ワイルド いもと ようこ
金の星社 2007-02

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2008年02月19日

雪の形

3年生の読書の時間。
先週は素敵な「雪の音」を聞かせてもらったので、
そのお礼に、今日は本を読んだ。

4892387525雪の写真家ベントレー
ジャクリーン,ブリッグズ マーティン Jacqueline Briggs Martin Mary Azarian
BL出版 2000-01

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雪の結晶が溶けてしまわないように、息を詰めて撮影した
ベントレーのように、子ども達も物音ひとつたてず、
じっと聞き入っていた。
読み終わると、一人の男の子が「すごい」とつぶやいて、
「その人がはじめて雪の結晶を見つけた人なんだ」と言った。

3年生は昆虫が大好き。
中には、蝶やバッタの羽化の写真を撮って賞を受けた子もいる。
いつかベントレーみたいになる子もいるかもしれない。

結晶.jpg
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2008年02月18日

ブラック・ユーモア

12月から月に2回ほどの割合で、英会話の個人レッスンに通っている。
先生は、イギリス人。白い顎髭とベレー帽がよく似合う
インテリジェンスなおじいさまである。
県境にある八ヶ岳を望むご自宅で、お茶をいただきながらの
フリーデスカッション。
普通の英会話スクールと違い、話題は外国の文化、政治と
多岐に渡り、実に有意義である・・・話が理解できれば!!

さて昨日は、「bad humor」と言って、面白いカードを見せてくれた。
どんなカードかというと、おじいさんが後ろからおばあさんの胸をモミモミしている絵が書いてある。
おじいさんが「Guess Who?」(だーれだ?)と言うと、それに答えて
おばあさんが「I dont care」(誰でもいいわ!触ってくれるなら)

こういうブラックユーモアなカードが向こうにはたくさん売っているらしく、我が先生はその大ファンなのである。
英語圏では会話でもユーモアを大切にしているらしいとはよく聞くが、しかし、このカードを本当に人に贈るのだろうか?
生真面目な私には、ちょっと考えられない。

ということで、今日の2年生の読書の時間にはこの本を読んだ。

4915632601みにくいシュレック
おがわ えつこ
セーラー出版 1991-03

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ウィリアム・スタイグ氏の晩年の作と聞いているが、
さあ、これでどうだ?人生最後の勝負!を仕掛けてるいる感じがある。
表紙の絵からして強烈。おまけに題名は「みにくいシュレック」だ。
(しかし、最近の子は「みにくい」というと「見えにくい」という
意味しか知らない。)
並の醜さではない。
「花はたおれ、木がのけぞってよける」「人もけものも逃げまどいました」(本文引用)と、まさにking of ugly(文法が違う?)!
主人公は、その醜さに満々の誇りと自信を持っている。
そこが他の凡百なお話とは違うところ。
醜く強引な主人公が最後に改心したりすることはサラサラなく、
最後まで強引なまま突っ走るのである。
こういう本を読んでいると実に気持ちがいい。
そして「シュレックのような人に私はなりたい!」と思うのである。
シュレックと同じくらい強烈な個性の2年生の面々もいつにもまして
真剣に聞き入っていた。
「すげえ、面白い!」とため息交じりにつぶやく声も聞こえてきた。
みんな憧れるんだねえ。
醜い、とか美しいといった既製の概念を超越した生き方に。

しかし、そんなシュレックでさえ運命の相手である
気高く醜い王女にこういわれてしまうのだ。

「それになんだか さびしそう」(本文引用)

人間って、しょうがない生き物だね。


(強烈な表紙の絵を見たい方は、「みにくいっていけないことなの?」という過去の記事を見てください)


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2008年02月14日

助け合う人と動物―3、4年生にブックトーク

今日は、3、4年生へのブックトーク。
テーマは「助け合う人と動物」。
“動物は難しいなあ”と思いつつ、
集めた本は結局こうなった。

助け合う人と動物.jpg

@「星空のシロ」読み聞かせ
A「泣くなツイ」
B「名なしのこねこ」
C「ねこの船」
D「ぼくのクジラ」
E「クジラの超能力」
F「魔法のゆび」
G「すばらしき父さん狐」
H「ダニーは世界チャンピオン」

今回のブックトークのために「泣くなツイ」と「名なしのこねこ」
を急遽購入した。

4580816013泣くなツイ (文研ブックランド)
長谷川 集平
文研出版 2006-11

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「泣くなツイ」は、「はせがわくんきらいや」の長谷川集平さんの作だが、
「はせがわくんきらいや」があまりに衝撃的だったので、
その後の作品を読んでいなかった。

今回この本に出会えて良かった。

犬を拾うという誰にでもおこり得る日常を描きながら、新鮮で、
古臭くなく、ところどころ泣かせるけれど、カラリと明るい。
児童書というのは、書いているのが大人なので、どうしても主人公の子どもに
ちょっぴり“大人”が混じってしまう。
読んでいて子どもがこんなこと考えるかあ?と不自然に思うこともしばしばなのだが、
「泣くなツイ」の龍次君は目線が実に小学生らしい。
そして何より、犬のかわいらしさ、いじらしさが手に取るように
描かれているのがいい。

4752003481名なしのこねこ
とりごえ まり
アリス館 2006-10

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とりごえまりさんの絵本はかわいいものが多いので、
この「名なしのこねこ」もただかわいいだけの絵本かと思っていた。
でも、そうではなく、生きものに関わる姿勢みたいなものがきちんと
描かれた絵本だった。
関わりをもった動物には責任を負う、という言葉が痛い。
動物は人間の慰みのために生きているわけではない。
私たちと同じように自分の命をまっとうしようと必死に生きているのだ。
むしろ生きることに純粋なのは、人間よりも動物の方だとも言える。

最後に、
「この100年ぐらいの間に、人間は地球をガラリと変えてしまいました。
100年前は、ジェット機も新幹線もガソリンで走る車も、テレビだって、電話だってありませんでした。
そういうものを作る際、人間は地球に一緒に暮らす動物達に許可を求めたことは一度もありません。
要するに無断勝手にいろんなものを作って、ものすごく便利になったけど、
結果的に地球を汚したり、傷つけたりしてしまいました。
人間は人間以外の動物にも、もう少し気を遣った方がいいんじゃやないかな?と思います。
難しい問題ですが、将来の地球を担っていくみなさんには、そういう
こともちょっとだけ頭に置いて、
楽しく本を読んでもらいたいです。」と言った。

実は「助け合う人と動物」というタイトルには少々抵抗があった。
だって、助けてもらっているのは人間ばかり・・だから。


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2008年02月13日

春を待つ本

この本の挿絵を最初に見たのは、片山健さんの原画展だった。

気に入って、すぐに図書室に置きたいと思ったが、
まだ本になっていなかった。
福音館書店の雑誌「こどものとも」に掲載されたものだったのだ。
今年の春、展示会で「こどものとも傑作集」として出版されたのを
知り、大喜びで購入した。

4834022390もりのてがみ (こどものとも傑作集)
片山 令子 片山 健
福音館書店 2006-11-01

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もみの木を飾る色とりどりの手紙。
この表紙を見て、最初はクリスマスの本かな?と思ったのだが、
そうではなかった。

寒い冬、外で遊べないひろこさんは友だちに手紙を書く。
りすに、とかげに、野うさぎに、ことり・・・、
手紙を受け取るのは、みんな人間ではない。
書いては、森の大きなもみのきにさげにいく。

この本を読みながら幼い頃の娘を思い出した。
娘も、気がつくと一人で黙々と絵を書いている子だった。
保育園に行く前は、母娘ともまだ友だちもいなかったから、
森の中の家で二人、けっこう孤独に暮らしていた。
娘がふと「〇〇ちゃん元気かなあ」と呟く〇〇ちゃんは、
近所に住む犬だったり、散歩途中に会うノラネコだったり、
目の端をかすめるリスだったり、サラサラ葉を鳴らす落葉松だったり、
林を吹き抜ける風だったりした。

八ヶ岳が真っ白に凍てつき、風がヒューヒュー泣いている今日、
窓際の棚の上に、この本を飾った。
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2008年02月08日

選書のひみつ

同じ学校に通っている娘が、
「あのね、私がロアルド・ダールの中で一番好きなのは、
『ぼくのつくった魔法のくすり』なんだよ。
それで、〇〇ちゃんにも面白いからってすすめたの」という。
さすが司書の娘、感心、感心と思いつつ、
「へえ。で、〇〇ちゃんは読んだって?」と聞くと、
「わかんない。読んでないかもしれない」という返事。
「なんで?」
字が小さいから。
別の本の時も、中見て、あっ、字が小さいからムリだ、
って言ってたもん。
みんなの大きさで決めるんだよ」

そうなのかあ・・・。
考えてみると、人気が出た「マチルダと小さな大天才」「魔女がいっぱい」は、
同じ評論社でも、“評論社の児童図書館・文学の部屋”
という活字の大きなシリーズのものだった。

6年生ぐらいになると、今度は大きな字に抵抗があるようで、
「字、でかっ!」と言って敬遠しているのを見たことがある。

大人からすると、ちょっと考えられない選書の仕方ではあるが、
案外そんなものかもしれない、と思った。

そういえば本の大きさが決め手となった時期もあった。
20センチくらいの小さなサイズの絵本がブームになって、
こちらも、意識してそういったシリーズをそろえていた。
勿論人気が出たのは、サイズだけが理由ではないと思うが・・。

本や文字の大きさ以外に、人気シリーズというのも、
選書のきめての一つである。
「かいけつゾロリ」シリーズや「マジックツリーハウス」シリーズを見るとよくわかる。

そして、娘の学年のように、2、3人借りると、
連鎖反応的に人気が出るという現象もある。

今、それが一番顕著なのが、『学研まんがひみつシリーズ』。
このシリーズは特に購入しなくとも、出版社から寄贈されてくるので、ありがたい。
特に、「チョコレートのひみつ」や「宅配ピザのひみつ」
「ビスケットのひみつ」のように、食べ物関連のものは人気が高い。

この間、ある男の子から
「先生、『昆虫のひみつ』も買って下さい!」
とリクエストされた。
もう予算がないので、「うん。じゃ、来年度買うね」と答えた。
たまには、正規のルートで手にいれるか・・・。
いつも送ってもらって悪いし。

しかし、寄贈された本が一番人気というのは、私の選書に問題があるのかしら、
といささか複雑な思いである。


昆虫のひみつ (学研まんが ひみつシリーズ)
林 夏介
4051062635

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2008年02月06日

ロアルド・ダールの動物

来週3、4年生にするブックトーク。
テーマは動物で、ロアルド・ダールの本も2冊リストに加えることにした。

魔法のゆび—ロアルド・ダールコレクション (3)
ロアルド ダール Roald Dahl Quentin Blake
4566014126


すばらしき父さん狐—ロアルド・ダールコレクション (4)
ロアルド ダール Roald Dahl Quentin Blake
4566014134


ロアルド・ダールの本には動物が登場するものが多い。
この2冊は、今回のブックトークのテーマにぴったり!
そして、この小学校がある環境ともマッチしている。

かくいう我が家も2、3年前まで猟区であった。
裏の林から銃声が聞こえたり、
ニッカポッカにハンチングという、ハンタースタイルでバッチリ
決めたおじさんたちがポインター犬を連れて、
ウロウロしていたり・・。
おまけに猟が終わると猟犬をそのまま捨てていくので、
血統書付きの立派な野犬が近所を何頭もさまよっていた。
通学路だということで学校が県に働きかけてくれて、
禁猟区になったが、猟区の時は流れ弾が子どもや飼い犬に
当たらないか、きがきではなかった。


また今回、この2冊を紹介しようと思ったのは、
実は他にも理由がある。

図書室には「マチルダは小さな大天才」と「魔女がいっぱい」
をはじめ、ロアルド・ダールコレクションが何冊かあるのだが、
「マチルダ―」と「魔女が―」以外のコレクションの方は
さっぱり借り手がつかない状態だったのだ。
ところが、最近もっぱら読むのはマンガ!という我が娘が
ダールの本を借りてくるようになった。
どうやら、仲の良いお友だちが読んでいて「面白いよ」
と薦めてくれたのがきっかけらしい。
よし!この機会を逃す手はない!
一人二人と読み始めると、あっという間にクラス中に
広がるという現象が娘の学年にはあって、
それが、今度ブックトークをする対象学年なのだ。

ロアルド・ダールは本当に面白い。読まず嫌いなんて勿体ない!

今回もし時間があれば、「ダニーは世界チャンピオン」にも触れておきたいと思う。


あと「ねぶそくの牧師さん」もぜひ一度読み聞かせたいなあ・・・。


ねぶそくの牧師さん (児童図書館・文学の部屋)
ロアルド・ダール 久山 太市 クェンティン・ブレイク
4566010694




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2008年02月05日

書棚を整理していたら・・・

もう2月―。
そろそろ今年度の廃棄をしなければ、と思ってはいるものの・・。
寒い時期の廃棄作業はつらい。
一つには手が汚れるのでしょっちゅう洗いたくなるのだが、
図書室の洗面台は凍結防止のため4月まで水道が止められている。
もう一つは、本が冷え切っていて手にとると冷たい。
(子ども達はこんな冷たい本を、毎日せっせと借りにきてくれるのだ、と思うと、ありがたい。)

それでもちょっとやろうかな、と書棚に行くと、
あるある・・・全く読まれないまま冷え切っているシリーズ本たちがぞくぞくと。
様々な作家が執筆していて「こども〇〇シリーズ」「〇〇創作童話」
といったシリーズ名がついている。
大体全10巻〜20巻くらい。

殆どが私が来る前に購入されたものだが、私の知る限り子どもが借りているのを見たことがない。
だからなのか、やたらに綺麗で、購入年も平成4、5年と
比較的新しい(が、もう十五年前か)ものが多い。
書棚を逼迫しているとはいえ、こういう本をリサイクルという名目で捨てるわけにはいかないので、学級文庫に下ろすことにしている。

そんな中、おっ、これは!!と思うシリーズもある。
それが「フレーベル幼年どうわ文庫」20巻。
購入年は昭和63年で、背の部分のタイトルが日焼けして消えてしまい、マジックで上からなぞってある。
中が汚れているのもあるが、執筆陣が魅力的だから、廃棄できない。

この前もブックトークの本を探していて、その中の一冊を
読んでみた。

あのひの音だよおばあちゃん 新装版
佐野 洋子
457703476X


雪の夜、小さな家に暮らすおばあさんと一匹のねこ、
という設定に、あっとういまに物語に惹きこまれ、
読んでいる間中ずっとワクワクしつつ幸せで、
読み終わってからも、充実感が続く、こういう本には
なかなか出合えるものではない。

しかし、始まりは穏やかそうに見えて、
徐々に過激でぶっとんだ世界に巻き込まれていく。
雪道を自転車こいでやってくる、巨大な黒ブタを見た時は、
長新太さんの絵本に出てくるキャラクターを思いだした。

そして本を読みながら、私って若い時と好みが変わったのかしら・・・
と自分自身に照らし合わせてみたりできるところがまたすごい。

ごくふつうの平凡なおばあさんとねこの暮らし。
華やかなイベントもなければこれといった事件もない。
若い時ならすっかり退屈してしまう日常風景を
もしかしたら、これって私の憧れの生活かも・・・、
なんてウットリして見ている。
おまけにその退屈な生活に闖入してきた天才的なクロネコを
歓迎するどころか、なんとなくうっとおしいなあ、と思ってしまう。

あとがきには、ある天才ミュージシャンの話が語られている。

「私は自分が凡人であるのがしみじみ淋しくうれしいのである。
人のくらしはささやかなものである。そのささやかなものの中
にしか幸せはない」(あとがきより引用)

という言葉にう〜んと唸ってしまった。

こういう文章を読むと、自分の思いを物語に再構築できるのが作家なんだなあ、
とあらためて思う。

こんなすごいお話と絵を描いてしまう佐野洋子さんが凡人なんて、
超凡人の私からすると、ちょっと違うんじゃないの?なんて
思っちゃうけどね・・・。







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2008年02月04日

春をよぶ本

一昨日の深夜降りだした雪は、今朝30センチの深さにまで
積もった。
学校は2時間遅れ。
しかし職員は定時に出勤し、雪かきに精を出す。
やたら着込んでいるものだから、サウナスーツなみに汗をかいた。

昨日は、娘が大喜びでかまくらを作ったり、
雪のケーキを作ったり・・・。

yukiのケーキ.jpg

yuki花弁.jpg 雪かべんjpg.JPG 凍ったバラjpg.JPG

雪森.jpg

節分も終わって、今日は立春。
特別展示を「春をよぶ本」に変えた。
今年ほど、春が恋しく感じる年は今までなかった。

haru呼ぶ本.jpg

春yobuhonn.jpg

雪かきを終えて、子ども達が登校してくる頃になると、
暖かい日差しが差しはじめた。




posted by Helenaヘレナ at 11:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 図書室 本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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